知っているようで知らない乳酸菌の正体とは?

乳酸菌

知っているようで知らない乳酸菌の正体とは?

日本初の乳酸菌整腸薬が発売されたのは1917年。それからちょうど1世紀。いまや乳酸菌サプリメントは、腸活に欠かせないアイテム。そして、純菌体を使った乳酸菌サプリメントが、新たな腸活スタイルを築きつつあります。今回は、知っているようで知らない乳酸菌の正体を探ってみました。

乳酸菌は、糖を発酵させてエネルギーと乳酸をつくる微生物の総称です。

乳酸菌 ヨーグルト乳酸菌は、糖を発酵させて、エネルギーと乳酸をつくる微生物の総称です。ラクトバチルス・ガゼイ、エンテロコッカス・フィカリスなど、知られているだけで381種あり、これらと似たようなタイプ(亜種)をくわえると、それ以上の数になります。

顕微鏡でその姿を見ると、棒みたいな乳酸菌やボールみたいな形の乳酸菌が、

・棒状の乳酸菌=桿菌(かんきん)
・球形の乳酸菌=球菌(きゅうきん)

ヨーグルトや乳酸菌飲料に使われているラクトバチルス・ガゼイは桿菌、花粉症によいといわれているエンテロコッカス・フィカリスは球菌です。
菌の種類によって、タンパク質を分解する能力が高いもの、免疫力アップに優れているものなど特徴があります。10人いれば、それぞれ個性が違うように、乳酸菌の世界も“十菌十色”なのです。

乳酸菌が好きな人のカラダの場所は?

乳酸菌は、あっちにもこっちにも生息しています。ただし、酸素があるところでなければ生きられない「好気性」の乳酸菌と、酸素があると死んでしまう「嫌気性」の乳酸菌がいて、乳酸発酵の食品は、好気性乳酸菌によるもの。
野菜や果物、牛乳など糖を含んでいる食べもの(エサ)を見つけると、ペタッとくっついて、パクパク&もぐもぐ。そうして乳酸をつくりだす、といったイメージです。

では、一方の嫌気性乳酸菌はどんなところにいるかというと——

いちばん身近なのは、人の腸内。とくに、口から遠く離れた大腸はほとんど無酸素状態なので、嫌気性乳酸菌には居心地のよい場所です。
人が食べて消化されなかった食物繊維やオリゴ糖などのエサが届くのだから、酸素が苦手な嫌気性乳酸菌にとって、腸内はパラダイスといえます。

乳製品の乳酸菌とサプリメントの乳酸菌

腸の健康のために乳酸菌をとろう!と考えたとき、一般的には、ヨーグルトを思いうかべるはず。ヨーグルトに含まれている乳酸菌の数は国の基準で決まっていて、1mlあたり1000万個以上。ということは100mlのカップヨーグルトで10億個 。実際には、それ以上含まれているといわれていますが、便秘改善にヨーグルトなど、生きている乳酸菌を含んだ食品を食べていても、効果を感じられない、という人が多いのではないでしょうか。

腸内をすみかにしている腸内細菌は、1000兆個以上といわれています。それほど沢山いるなかに、10億とか100億とか億単位の乳酸菌が届けられても、残念ながら、パワー不足。腸内にもともといる腸内細菌に対して、それほど影響力がないといわれています。

乳酸菌は、1日に数十兆個とっても問題ありません。実際に、がんの化学療法と併用して、大量の乳酸菌を治療に使っている医師もいるということです。

そこで登場するのが、1包で数千億個、1兆個といった膨大な数の乳酸菌をさらに加熱加工し、有効成分だけをとりだしたサプリメントが話題になっています。

数が多いだけでなく市販されている乳酸菌サプリメントの多くは、効率よく製造するために、キトサンという物質を使われている商品もあるようですが、なるべく純菌体が含まれているものを選ぶのがポイントのようです。

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